誰からも愛されて育った姉がいた。
私は、いつだって彼女の姿を遠くから見ていた。
羨ましいなんて思ったことは一度もなかった。
愛されたいと思ったことなど一度もなかった。
いつしか、綺麗なものが見えなくなった。
いつしか、綺麗なものほど嫌うようになった。
いつからか、綺麗なものに嫌悪を覚えるようになった。
結局私は、そういう人間だった。
ページ1
ページ2
ページ3
ページ4
ページ5
ページ6
ページ7
ページ8
ページ9
ページ10
ページ11
ページ12
ページ13
ページ14
ページ15
TOP |